精力善用 自他共栄

精力善用とは、柔道の原理を表した標語です。
自他共栄とは、柔道の修行目的を表した言葉です。
これらの言葉を嘉納治五郎師範が表された過程は、講堂館柔道の歴史に掲載されています。

・・・柔術の「柔よく剛を制す」の柔の理から「心身の力を最も有効に使用する」原理へと発展させ、新しい時代にふさわしい技術と理論を組み立てました。

嘉納師範はこの原理を「精力善用」の標語で示し、これこそ柔道技術に一貫する原理であるとともに、社会生活すべてに於ても欠くことのできない重要な原理であることを明らかにしました。

そしてこの原理を実生活に生かすことによって、人間と社会の進歩と発展に貢献すること、すなわち「自他共栄」をその修行目的としなければならないと教えました。

主とするところは「術」ではなくこの原理と目的により自己完成をめざす「道」であるとして、術から道へと名をあらため、その道を講ずるところという意味で名づけられたのが「講道館」という名でした。